お父さんの体力測定、三郡縦走。
若杉山、砥石山、三郡山、宝満山
(わかすぎやま、といしやま、さんぐんさん、ほうまんさん) 
681m、825m、936m、829m  福岡
 ひょんな事から福岡では有名な三郡縦走をすることになった。いつもお気楽な私だが、たまにはしっかり歩くのもいいものだ。 2002年11月20日


出発地点、JR篠栗駅
            始まり・・・

 事の起こりはF.Y.K.の祝賀会に参加した折り、先輩のIさんとお話したことからだ。

 Iさんには、いつか三郡縦走をしてみたいなぁ、と思っていることを、軽い気持ちでどれくらいのコースタイムなのかと訊ねてみた。Iさんいわく普通は標準で8時間程度とのこと。その8時間とはJR篠栗駅から内山(竈門神社)までのタイムだ。

ちなみに西鉄太宰府駅までなら9時間。以前、女性の方と一緒したけど、それぐらいで歩いたよとのこと。恐る恐る訊ねてみた。「あのう、楽園までタクシーを使うのはズルですか〜!?」「それはいかんね〜。昔は篠栗から太宰府まで歩くのが普通だったよ。」 あはは・・・楽園コースで行こうと思っていたのにこれじゃマズイ。うぅ、これじゃIさんに三郡縦走してきたと話しても相手にしてもらえない!?あぁ、黙っておけば良かった・・・ 

 そしてちょっと悩んで決断した。(ちと大袈裟ですが・・・) やるからには篠栗駅から歩こう。日頃の運動不足解消にもいいか〜(苦笑) 決めたら即行動だ。次の休みは三郡縦走を楽しむぞぉ〜(苦笑)やるからには標準タイムより少しでも早く歩こう〜。荷をいつもより軽くして歩けば余裕かも〜(既にズル) それなりに考えて翌朝に備えた。

           そして・・・

 まだ朝暗い5時半起床。6時半の電車に乗って篠栗駅に7時20分に着いた。駅前のコンビニで朝食と昼食を購入し、ささっと朝食を済ませて7時36分に歩き始める。最初は調子が良かった。ま、それが当たり前。予め登山道はイメージしていたし、わかりやすい若杉山への標識のお陰もあって、どんどん歩いていけた。最初は寒く感じた空気も次第に心地よさに変わってくる。Tシャツ一枚で充分なくらいだ。小鳥のさえずりなどに耳を傾けつつ余裕で歩いた。

若杉山への道は綺麗に整備されており、特に迷いやすい場所もない。欲を言えば丸太の階段が多くて歩きづらかったことくらいだ。途中、りっぱな杉の大木などがある。また、この日は平日にも関わらずお遍路さんの姿が見えた。そのお遍路さんに導かれるが如く、奥の院を経由して若杉山山頂へ。ここでこの日最初の登山者に出会う。

若杉山

ショウケ越えにて

砥石山山頂

前砥石山山頂
         ここから

 ショウケ越えまではすぐだった。橋の側で小休止ののち、砥石山への上りが始まる。意外と傾斜のきつい登りが続く。ペースを整えながら登り続けた。まだまだ先は長い。大股歩きは体力の消耗するのでなるべく歩幅を小さくするよう、注意しながら歩いた。既に紅葉の季節は終わり、晩秋というより初冬の趣きが漂う登山道だ。落ち葉を踏みしめながら歩くのもまた楽しい。朝は曇っていた空も次第に明るさが増し、青空が見えてきた。

 11時を回った頃、砥石山に到着した。思ったよりも視界が開けていない。まだお昼には少し早いのでこの先の前砥石山で昼食を摂ることにして歩く。遠くのほうから人の声がする。他にも登山者がいるようだ。そう思っているうちに数名の登山者とすれ違う。空荷だったので驚いたが、この先の前砥石山に置いてきたらしい。

 その前砥石山は視界も開けて日も良くあたり暖かい。いい休憩ポイントだ。F.Y.K.のIさん曰く、太宰府側から登っても、篠栗側から登っても前砥石山が三郡縦走の昼食地点になるそうだ。ということはとりあえず標準タイムで歩いていることになる。携帯へ応援コール?も飛び込んできたりしつつ、コンビニで買ったおにぎりとビールで昼食とした。ただ、ビールは良くなかった。この後の歩きが重たくなってしまった。少なくとも今回のような山行の場合、自重すべきと後になって悔やんだ。

 前砥石山から三郡山への上りはかなりこたえた。歩き出して5時間過ぎており、最初の調子良さはどこへやら、喘ぎながら登っていく。ペース配分をうまく考えるべきだったと後悔する。やっとの思いで山頂に到着した。目指す宝満山が遠くに見える。後は楽そうな?縦走路だ。山頂にいたご婦人にカメラのシャッターを押してもらい、一息入れてからゴール目指して再び歩き出した。

三郡山山頂

頭巾山

仏頂山

宝満山山頂
             正念場

本来なら三郡山から宝満山は楽しい縦走路歩きであろう。だが、朝から歩き続けており、さすがに疲労がピークに達しつつあった。楽しむ余裕はあまりなくなっていた。それでも頭巾山に立ち寄りつつ、残り時間を計算した。どう考えても標準時間内は苦しくなってきたのがわかる。調子が良かった前砥石までの分の貯金?をなるべく減らさないようにひたすら歩いた。さすがに人気のコースだけに平日でもこのコースは人と良く会う。にこにこ挨拶を交わす人、知らん顔の人などバリエーションも豊富だ。知らん顔の人にはムッとするが、いちいち腹を立てている場合ではない。

時計の時間を気にしながらとにかく歩く。そしてどうにか宝満山へたどり着いた。残り時間から計算してギリギリかな。小休止しながら息を整えて行動食をほおばる。ここからはほとんど下りなので膝を痛めないように注意が必要だ。ストックを使用し、石段の多いメインルートを避けて天狗道から下山する。

             ついに

 宝満山からの下りは辛い。登りも辛いが下りばかりというのも案外と疲れるものだ。ましてや既に歩き出してもうすぐ8時間経とうとしていた。軟弱な足腰は疲れのピークを過ぎてもはや惰性で動いている。片や予定時間はもうすぐだ。諦めてしまおうか。心の中で葛藤した。諦めればそれはそれでいいかも。ただただ時間が気になる。諦めようにも諦められず歩きつづけた。

そして、竈門神社まであと800メートルというところで、予定時間となってしまった。結局、竈門神社には9分遅れで到着だ。ショックである。境内は紅葉のピークは過ぎているものの、まだまだモミジの紅葉が美しく見物客で賑わっていた。その横を気落ちしながらバス停まで歩いて行く。

 バスの発車にはかなり時間があった。このまま待つのも辛い。そうだ、ついでに太宰府駅まで行ってしまおう。時間はまだある。9時間以内だ。水分を補給し、靴の紐を締めなおして歩き始めた。何だか気分も軽くなったような気がする。さっきまでの重い足取りとは違って軽快に歩いていけた。

登山姿のオジサンが歩いているのを、下校途中の小学生が不思議そうに見ている。気にせずどんどん歩く。時計をみれば何とかいけそうだ。無心に歩いた。歩きつづけた。そして、ついにゴールの太宰府駅へ。8時間55分。歩きつづけた24キロ感動のゴールであった。

 その後、焼き鳥屋に直行したのは言うまでもない・・・

疲れはてて、竈門神社

ついにゴール。思わず万歳 ! ! 西鉄太宰府駅にて
 自分の体力がどのくらいのものか。少なくとも自分自身のことは知った上で山は楽しみたいものだ。今回はそんな意味も込めて体力測定をするつもりで歩いてみた。反省点も数多く見つかった。例えばペース配分だ。歩く距離が長いほど、自身の体力を考えてうまくペース配分しなくてはならない。やみくもに歩けばいいというものではない。いかに楽して(効率よく)ゴールまで自身を導くか、しっかりとした作戦が必要なのだ。

そして山行前のしっかりとしたシュミレーションだ。地図上では把握していたつもりでも、実際に現場を歩くとイメージが違う場面が多々あった。まだまだ地図読みの技術が不足している。勉強あるのみ。そして何とか標準タイムで最後まで歩いたという自信もオマケでもらった。次回??歩くなら今回の反省をもとに作戦を練り直してチャレンジしたい。
三郡縦走 行程約24キロ。上り累計約1430m下り累計約1420m 

参考コースタイム(あくまでも参考です。各人の条件等により異なることをご承知ください)
JR篠栗駅 〜 128分 〜 若杉山 〜 27分 〜 ショウケ越え 〜 61分 〜 砥石山 〜 48分 〜
 前砥石山 〜 62分 〜 三郡山 〜 69分 〜 宝満山 〜 65分 〜 竈門神社 〜 31分 〜 西鉄太宰府駅
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